【伝統的工芸品のご紹介】~伊賀くみひも(三重県)~

【伝統的工芸品のご紹介】~伊賀くみひも(三重県)~

【名称】

伊賀くみひも

 

 

【伊賀くみひもの産地】

三重県伊賀市、名張市など

 

 

【伊賀くみひもとは?】

主な材料が絹糸で、組糸に金銀糸が使われている「くみひも」のことです。

伝統的に使用されている角台・丸台・高台・綾竹台といった組台で、糸をきめ細やかに美しく組み上げられた紐です。

伊賀くみひもの技術は、約1500年前に仏教と共に大陸から伝わってきました。

その長い歴史の中で、何代にも渡って職人たちによって受け継がれ、そして進化しながら現在に至っています。

 

1976年12月、伝統的工芸品に指定。

2016年公開の映画『君の名は。』の中で、主人公・三葉が組紐を組むシーンがあり、一躍脚光を浴びました。

 

 

【伊賀くみひもの特徴】

最大の特徴は、輝くような見た目の美しさです。

さまざまな色が使われているので色彩豊かですし、1本ずつ丁寧に組み上げられている絹糸が光によく映えます。

また、絹糸が持つ独自の光沢や華やかさはもちろん、

組み上げることで出てくる独特の手触りも魅力のひとつでしょう。

また、機械ではなく人の手で組み上げられている「手組みひも」が世に知られています。

 

時代に合わせた商品開発に積極的で、商品ラインアップも豊富です。

日本の伝統的な和装の帯締め・帯留などはもちろん、

携帯ストラップやキーホルダー、イヤリング、ネックレスなどが販売されています。

主に観光客向けに体験教室を行うなど、地元だけではなくさらなる認知拡大のため、

「伊賀くみひも」の情報発信を継続しています。

 

 

【伊賀くみひもの歴史】

歴史は長く、伊賀くみひもの技術は、約1500年前に大陸から伝わってきました。

その当時は、仏教の教えを記した書物の装飾、僧侶が着る袈裟(けさ)などに利用されていたそうです。

現在から1200年ほど前に平安京に遷都した後も、天皇や朝廷に仕える貴族などの正装である

「束帯(そくたい)」の装飾品として重宝されていました。

当時から伊賀くみひもが用いられている「組緒(くお)の帯」は、

その芸術性の高さが評価され続け、現在でも受け継がれています。

 

鎌倉時代になると、貴族だけではなく武士にも伊賀くみひもが利用されるようになりました。

また、室町時代には、茶道具の飾り紐などに使われるようになります。

茶の文化が庶民にまで広がりを見せた影響もあり、一気に認知度が高まりました。

戦国時代では、武士が戦の時に着る鎧の装飾に用いられるようになります。

江戸時代になると、さらに日本刀の飾り紐としても利用されるようになりました。

 

こうして武士から庶民まで幅広く使われるようになり、職人たちが競い合うことで技術も大きく進歩していきます。

その結果、新たな組み方が開発され、印籠をはじめとした数多くの日用品の紐としても使われるようになりました。

 

1876年に廃刀令が出たことにより、日本刀の飾り紐としての需要がなくなります。

時代の流れとはいえ、伊賀くみひもにとっては厳しい環境が訪れることになりました。

しかし、その後も人々のライフスタイルに合わせた商品開発を行うなど、時代の流れに順応しています。

これからも今まで同様に伝統技術が後世に受け継がれ、そして守られていくでしょう。

 

 

【伊賀くみひもの製作工程】

①糸割り

糸割りとは、作品を完成させるために必要な分の絹糸を準備することです。

以下の手順で行います。

・作る予定の紐の本数分の糸を秤にかける

・「帯締め一本分」を基準にして、作成する本数分に重さで分けていく

 

②染色

作りたいデザインの完成品を見ながら、ムラが出ないよう染めていきます。

色見本通りの色合いにするため、「染料の調合」「染色液に糸をひたす」という繊細な作業を

繰り返し行っていきます。

この作業を繰り返し行うことで、正確な色味を実現させるのです。

作品によっては「ぼかし」の表現も必要になりますが、熟練した職人の技術があってこその業と言えるでしょう。

 

なお、染色に使用される染料は7色。

調合する割合によって全く異なった色味になるので、その判断はすべて職人に委ねられます。

それぞれの職人が持つ技術はもちろん、培ってきた経験や勘で、目指すべき色に染め上げていきます。

 

③糸繰り

染色した糸を、座繰り(ざくり)という道具を用いて小枠(こわく)に巻き取っていきます。

 

④経尺(へいじゃく)

小枠に巻き取った糸を、経尺枠に巻き取ります。

この時、組み上げに必要な「長さ」「本数(重さ)」を合わせていきます。

 

⑤撚かけ(よりかけ)

④の工程までに準備した糸を、撚りかけ車(八丁)を用いて、撚りをかけます。

組み味が異なる糸を一玉ずつ区別して、組み上げ時に使用していきます。

 

⑥組み上げ

組紐の種類によって組台を使い分け、糸を組み上げていきます。

組紐、組台の主な種類は、下記の通りです。

・組紐:「丸組紐」「平組紐」「角組紐」の3種類

 

丸組

参照元:中川政七商店

 

平組紐

参照元:中川政七商店

 

角組

参照元:中川政七商店

 

・組台:「角台」「丸台」「高台」「綾竹台」の4種類

 

丸台

参照元:中川政七商店

 

高台

参照元:中川政七商店

 

なお、明治時代に80軒以上あった組紐店、そして組紐を実際に組む「組子」の数は、どちらも減少し続けています。

その結果、手組みされている組紐は、非常に珍しくなってきているのが実情です。

こうした中、伊賀くみひもは、手組みの組紐の全国生産高の90%を占める存在となっています。

今日では「製紐機」を使うことにより、大量生産が可能になりました。

 

⑦仕上げ

手作業で丁寧に糸を一本ずつほぐし、房目を糸でしっかり結びます。

こうしてできた房は、蒸気で「湯のし」をして美しく形を整えていきます。

最後に「転がし台」を利用して組目を整えれば、完成。

 

ここまで紹介してきたように、職人の技術、そして時間をかけて丁寧に伊賀くみひもは作られます。

そして、伊賀のくみひもで作られた帯留めは、高密度で編み込まれているのが特徴です。

見た目が美しいのはもちろん、締めやすく、付け心地がとても良いものに仕上がっています。

 

 

 

SELECT JAPANでは20歳未満へのアルコールの販売はいたしておりません。

年齢のご確認をさせていただきます。

申し訳ありませんが、この度はご利用いただけません。

生年月日をご入力ください

生年月日をご入力ください:

個人情報の保護

利用規約