【伝統的工芸品のご紹介】~桐生織(群馬県)~

【伝統的工芸品のご紹介】~桐生織(群馬県)~

【名称】

桐生織(きりゅうおり)

 

 

【桐生織の産地】

群馬県桐生市

 

 

【桐生織とは?】

群馬県桐生市を中心とした地域で製作されている織物。

気候条件や地形などの自然環境に恵まれたこともあり、桐生は古くから養蚕業が栄えた地域でした。

昭和22年に誕生した上毛かるたで、「き」の札は「桐生は日本の機どころ」と書かれています。

 

柔らかな肌触りと豊かな光沢が愛されており、高級な着物だけではなく、さまざまな服飾品に取り入れられています。

桐生織が育んできた歴史や文化、地域の特色を活かしていくために「ファッションタウン桐生」を掲げており、今後も世界に向けて発信を続けていくでしょう。

 

1977年10月、伝統的工芸品に指定されました。

 

 

【桐生織の特徴】

最大の特徴は、下記7種の織り方の技法です。

 

・お召織

 

桐生織が発祥の最高級品。

江戸幕府の第11代将軍・徳川家斉が愛用していたことから、この名が付いている。

細かい凹凸が特徴。

 

・緯錦織

 

たて糸は単色ですが、よこ糸は8色以上を用いて紋様を表現している。

 

・経錦織

 

たて糸は3色以上、よこ糸は2色以上を用いて紋様を表現している。

 

・風通織

 

表裏にそれぞれ色の異なる糸を用いて、二重になっている生地を表裏に出すことで紋様を表現している。

 

・浮経織

 

2色以上のたて糸を細やかに用いることで、まるで刺繍のような紋様を表現している。

 

・経絣紋織

 

たて糸でかすり模様を、よこ糸も複数使って紋様を表現している。

とても手間がかかる織り方。

 

・綟り織

 

たて糸とよこ糸が絡みながら組み合わさることで、織り目にすき間が生じる技法。

 

 

職人たちによる飽くなき技術の追求によって「絵画織」も製作されるなど、桐生織は注目され続けています。

 

 

【桐生織の歴史】

桐生織の始まりは、1300年ほど前の奈良時代にまで遡ります。

史書『続日本紀』には、714年に上野の国(現在の群馬県)が、絁を朝廷に納めたことが記されています。

このことから、大昔から群馬では織物産業が盛んであったことがわかるでしょう。

 

また、桐生に織物が根付いた理由として伝わっている、ひとつの伝説があります。

その伝説とは…

 

上野国山田郡に住んでいた男が朝廷に仕えることになり、そこで官女の白瀧姫に恋をしました。

その男の願いは叶い、白瀧姫と結婚することに。

2人の生活は、男の故郷である桐生市で始まります。

養蚕や織物の知識を兼ね備えていた白瀧姫は、地元の人々にその全てを伝えていきました。

 

という話です。

 

日本の歴史上で有名な新田義貞、足利尊氏といった武将たちが、桐生織の品を好んで使用していたとも伝わっています。

 

さらに江戸時代になると、桐生は絹織物の産地として知られるようになります。

その証拠に、当時には「西の西陣、東の桐生」と称されるようになりました。

 

1887年、桐生で生糸商を営んでいた佐羽家が中心となり、日本織物株式会社を設立します。これが大きなキッカケとなり、工業化に成功。

桐生は、日本を代表する織物産地としての地位を築くことになりました。

 

2020年に国内外で「KIRYUtextile」の商標登録し、海外市場への進出にも積極的に打って出ています。

 

 

【桐生織の製作工程】

①製糸

これから織っていくために、生糸を作ります。

種類が異なるので、たて糸、よこ糸でそれぞれ準備します。

 

②精練・染色・ノリ付け

参照元:桐生市

 

精練とは、弱アルカリの熱湯の中で生糸を1時間ほど洗浄して、不純物を取り除く作業です。

精練後、指定された色に糸を染め上げるのが染色です。

ノリ付けは、よこ糸に行います。

よこ糸の2倍の重さのノリを、手作業でもみ込んでいったら完了です。

 

ノリ付けは、次の撚糸の工程で、撚った糸が元に戻ってしまうのを防ぐために行います。

 

③撚糸

参照元:桐生市

 

撚糸とは、一本一本はとても細い糸を撚り合わせることで、丈夫な糸にしていく作業です。

専用の機械を用いて、1mの糸に対して2,000回ほどの強めの撚りをかけていきます。

 

撚糸が完了したら糸繰りを行い、次の工程の準備をします。

 

④整経・管巻き

参照元:桐生市

 

これから織っていく製品に合わせた長さに、糸を調整していきます。

この作業を「整経」と言います。

また、ミシンでいうボビンの役割となる木管に、よこ糸を巻いていく作業が「管巻き」です。

管巻きは、職人の手によって行われたり、機械を用いて行われたりします。

 

⑤意匠・紋切

参照元:桐生市

 

「意匠」とは、製品のデザインすることです。

完成したデザインを、意匠紙という「たて糸とよこ糸の組み合わせを描く方眼紙」に写し取っていきます。

その後、デザインされた紋様の情報を表す穴を紋紙にあけますが、この作業を「紋切」といいます。

どのタイミングで、どの色の糸を表面に出すかという、指示書の役割を果たすのが紋紙です。

 

紋切は昔から行われている伝統的な方法ですが、現在はコンピュータ上で全て行うことができます。

コンピュータでデザインし、画像データとして保存。

そのデータを織り機に送ることで、機械が自動でデザインされた紋様を織っていくことも可能です。

 

コンピュータを活用することで、デザインの幅が格段に広がりました。

元々、表現の豊富さが高く評価されていた桐生織ですが、より一層デザイン力に磨きがかかっています。

 

⑥ジャカード・機ごしらえ

参照元:桐生市

 

ジャカードとは、紋紙またはコンピュータで作成した紋様データを綜絖に送る機械です。

綜絖とは、たて糸を一本ごとに上下させる仕掛けの部分をいいます。

ジャカードの動きを通糸(つうじいと)からたて糸に伝えることで開口し、デザインした紋様を表現していきます。

 

ジャカード織機は、1806年にフランス人によって開発されました。

その80年後、佐羽喜六が外国製のジャカード・ピアノマシンを桐生に輸入しています。

 

⑦機織り

参照元:桐生市

 

先述の通り、桐生織には7つの織り方の技法があります。

ジャカードからの指示によって各技法が用いられ、さまざまな紋様が紡ぎ出されていくのです。

染色された色とりどりの糸が鮮やかに織られていく姿は、一番の見どころといっても過言ではないでしょう。

 

織り作業が完了した後、製品の表面を手作業によって丁寧に検査します。

 

⑧しぼ出し

お湯の中に製品をひたして、前工程でよこ糸に付いたノリを落としていきます。

ノリが取れることで糸によりが生じ、これが生地の表面に凹凸になって現れてきます。

この凹凸が「しぼ」です。

 

⑨整理

参照元:桐生市

 

お湯にひたしながら製品の幅を広げ、布地表面の凹凸の原因となっている「しぼ」を除去します。

この際、木づちで叩きながら、桐生織独特の風合いを出していきます。

最後に汚れなどの不備がないかチェックし、必要があれば補修作業を行って完成です。

 

市場で流通している桐生織の製品には、伝統的工芸品のシンボルマークである「伝統マーク」が貼られています。

 

 

 

 

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