【伝統的工芸品のご紹介】~本場大島紬(鹿児島県)~

【伝統的工芸品のご紹介】~本場大島紬(鹿児島県)~

【名称】

本場大島紬

 

 

【本場大島紬の産地】

鹿児島県奄美地方

 

 

【本場大島紬とは?】

鹿児島県奄美地方で製作されている織物。

素材は絹100%で、糸の段階で染色してから仕立てます。

また、経糸と緯糸を交互に織っていく平織で、手機などを用いて手作業で行います。

 

伝統的な泥染めや藍染だけではなく、現在は白生地に織り上げた白大島、多彩な色大島など種類も豊富です。

カラーバリエーションが増えたことによって、成人式や結婚式などでも着られるようになってきました。

 

ジャケットやストールなどの洋装、テディベアや扇など、さまざまなものに製品化されています。

時代に合った需要を獲得するため、新しい分野にも積極的に取り組んでいます。

 

1975年2月、伝統的工芸品に指定されました。

 

 

【本場大島紬の特徴】

染色に用いるシャリンバイや泥による味わい深い色合い、精巧な絣模様が特徴です。

使うほど肌になじんできて、軽いので着やすくシワにもなりづらいことから、多くの人々に愛用されてきました。

 

製造工程が少なくとも30以上はあることから、完成までに半年以上かかることも珍しくありません。

また、各工程がとても複雑であることから、卓越した技術を必要とされています。

 

伝統的な紋様はいくつもありますが、以下に3つ挙げます。

 

  • ・一本西郷

 

  •  

    ・白雲

 

  • ・ツガアミ

 

【本場大島紬の歴史】

起源は7世紀頃で、18世紀の始めには本格的な産地として形になっていました。

時を同じくして、鹿児島にも技術が伝わったようです。

 

歴史の詳細が記載されている文書が少ないので、正確な起源についてはわかっていません。

1720年、薩摩藩が奄美に住む人々に対して「紬着用禁止令」を出し、紬織物を献上品として差し出すように言い渡した記録が残っています。

 

奄美大島は古来より海上交通の要として発展しており、自然と各地の文化が入ってきていました。

また、奄美地方は年間を通じて温暖多湿で養蚕に適していたので、織物が盛んになったと考えられています。

実際、奄美の養蚕や島民が着ている衣服については、薩摩藩士が書いた『南島雑話』に絵と共に記載されています。

 

1900年代に、締機が開発されました。

それまで手作業で括っていた絣を、機を用いて括れるようになったのです。

これにより、他では見ることができない唯一無二の絣柄を作り出せるようになりました。

 

戦争による被害、ライフスタイルの変化などによって、生産量はピーク時の10%ほどになったと言われています。

しかし、歴史ある工芸品として現在も受け継がれ、歩み続けています。

 

 

【本場大島紬の製作工程】

①図案・織物設計

参照元:やまと

 

色、経糸と緯糸の組合せなど、全体的なデザインを考える工程です。

方眼紙に描いていきます。

 

②のり張り

参照元:やまと

 

のりの原料となるのは、イギスやフノリなどの海藻です。

海藻をのりにするのは、「虫が付きにくくなるので加工・処理がしやすくなる」「ツヤが出る」「伸縮性がよくなる」などの効果を発揮します。

 

経糸と緯糸の必要本数を用意したら、のり張りを行います。

経糸・緯糸ともに16本ずつにまとめて、のりを付けたら、天日干しでしっかりと乾燥させます。

 

③絣締め加工

参照元:やまと

 

のり張りして準備した絹糸を、締機を使って締めていく工程です。

とても力のいる作業なので、昔から「締機を使用するのは男性」と言われてきました。

 

締機によって精妙に絣を織り上げる技法は、正確に模様を織れるようになっただけでなく、生産性も向上させたのです。

なお、締機は、奄美大島出身の永江伊栄温などによって開発されました。

 

④シャリンバイ染め

参照元:やまと

 

シャリンバイの樹皮や根を14時間ほど煮て、染料を作ります。

その後、染色を20回ほど繰り返し行い、糸を赤褐色に染めていきます。

 

⑤泥染め

参照元:やまと

 

「シャリンバイ染めを20回ほど行った後、泥染めを1回行う」という作業を、3~4回繰り返し行う工程です。

「シャリンバイのタンニン」と「泥の鉄分」が反応して結合することで、特徴的な黒色に染め上がります。

 

泥染めを行う効果を、以下にいくつか挙げます。

  • ・シワになりづらい
  • ・燃えづらくなる
  • ・汚れが付きづらくなる
  • ・静電気を防止する

 

⑥準備加工

織り作業を行うための準備工程ですが、その数は28にも達します。

例を挙げると、「整経」「糸繰り」「柄合わせ」などです。

 

⑦手織り

参照元:やまと

 

高機を用いて、職人による手作業で織っていきます。

経絣をゆるめながら、1本ずつ丁寧に針で絣を合わせていくことで、鮮やかな模様が出てくるのです。

わずか1本だけの狂いも許されないので、一反を織るのに通常でも1ヶ月以上かかります。

また、デザインによっては数ヶ月以上要することも珍しくありません。

 

⑧絣調整

参照元:やまと

 

7cmほど織ったら、いったん経糸をゆるめて、針を用いて絣を合わせていきます。

 

⑨製品検査

参照元:やまと

 

完成した反物は協同組合の検査場へと運ばれ、検査員によって全20項目の最終チェックが行われます。

厳しい審査に合格した織物には、本物の本場大島紬であることの証明になる「品質表示」「旗印の商標」が貼られます。

 

 

 

 

【販売している商品はこちら】

泥大島 奄美の月夜海 7マルキ

泥大島 緑風 9マルキ

 

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