【伝統的工芸品のご紹介】~丸亀うちわ(香川県)~

【伝統的工芸品のご紹介】~丸亀うちわ(香川県)~

【名称】

丸亀うちわ

 

 

【丸亀うちわの産地】

香川県丸亀市

 

 

【丸亀うちわとは?】

香川県丸亀市を中心した地域で製作されているうちわ。

元々は、江戸時代の初めに「こんぴら参り」をしている方々のお土産として考え出されました。

朱赤のうちわの中心に「○金」印の入っている「渋うちわ」が起源ではないかと言われています。

 

現在は、機械によって生産されているプラスチック製のうちわがほとんどです。

竹製、しかも高度な技術を持った職人たちによって作られる丸亀うちわは、

手作りによる優しさや趣深さを感じ取ることができます。

 

1997年5月、伝統的工芸品に指定されました。

 

 

【丸亀うちわの特徴】

丸亀うちわの主な特徴は、以下になります。

・「柄」と「骨」が一本の竹から作られているうちわが多い

・柄の形が「丸」「平」の両方がある

・生産量の全国シェアが90%を誇っている(年間1億本以上の生産量)

・プラスチック製とは異なる手触りや使い心地の良さ

 

驚異的な全国シェアからもわかる通り、丸亀うちわは全国的に名の通っている地場産業です。

普段使いできるうちわだけでなく、工芸品としての高級うちわ、

インテリアとして室内に飾るデザイン要素の高いうちわなど、さまざまな挑戦を続けています。

 

なお、丸亀うちわは「伊予竹に土佐紙貼りてあわ(阿波)ぐれば讃岐うちわで至極(四国)涼しい」と

歌い継がれています。

これは「竹=伊予(愛媛県)」「和紙=土佐(高知県)」「ノリ=阿波(徳島県)」と、

うちわ作りに必要な材料の産地が近隣にあったことを表現しています。

現在のように交通網が発達していなかった頃は、今以上に大きい強みだったことでしょう。

 

また、丸亀うちわには数多くの種類がありますが、代表的なものを以下に挙げます。

 

・京丸

 

・中満月

 

・七八タキ

 

・昭和

 

・一文字

 

 

【丸亀うちわの歴史】

丸亀うちわは、下記3つのうちわの各々の要素を組み合わせた結果、現在の姿となっています。

 

・渋うちわ

1633年、金毘羅大権現の別当となっていた金光院住職が考え出した。

 

・女竹丸柄うちわ

1780~1789年頃、丸亀藩が下級武士の内職として製作を勧めた。

このことがキッカケとなり、地場産業としての礎が築かれたと言われている。

 

塩屋平柄うちわ

明治時代に奈良うちわをならい、塩屋町を中心に広まったうちわ。

 

 

1894年、うちわを取り扱う日本初の法人である「丸亀団扇株式合資会社」が立ち上がりました。

1904年に大矢商会が設立され、香川県外で平柄うちわの販売をスタート。

国内だけではなく、さらなる販路を求めて、アメリカやインドといった海外にまで進出していきます。

 

大正時代に入ると機械化が進み、うちわの大量生産が可能になりました。

しかも、うちわ生産専用に発明された機械は、丸亀に所在する業者は自由に使うことが許されたのです。

こうして丸亀におけるうちわの生産量は劇的に増加し、

「丸亀=日本一のうちわ生産地」として不動の地位を得ることになりました。

 

1930年代前半に、うちわに名入れできる印刷機が発明されます。

企業や個人から販促物や記念品としての受注が増えるとともに、より身近で親しまれる存在になっていきました。

 

第二次世界大戦の影響によって生産が減少してしまう時期もありましたが、1955~1964年に最盛期を迎えます。

しかし、扇風機やエアコンなどの電化製品の発達により、うちわの需要は徐々に減少してしまうことに。

このように紆余曲折はありますが、現在でも、本物を求める方々や自然な風を好む人々に愛され続けています。

 

 

【丸亀うちわの製作工程】

①木取り

参照元:丸亀市

 

材料となる竹を40~45cmに切った後、一定の幅で管を割っていきます。

この作業は、竹の真っすぐに割れてくれる性質を上手く利用しています。

その後、手で持った時の感触を良くするため、竹の内側にある節を削ったら完了です。

 

②割

参照元:丸亀市

 

竹の穂先から10cmほど、専用の機械を使って切り込みを入れたら、35~45本ある穂を同様に割きます。

 

③穴あけ

参照元:丸亀市

 

節に、かまを通すための穴を開けていく作業です。

穴を開ける用のキリを使って行います。

なお、穴に通すかまは、経験豊かな腕の立つ職人が別途作ります。

 

④柄削り

参照元:丸亀市

 

小刀を用いて、柄の部分を削って仕上げていく作業です。

全て同じように削るのではなく、うちわの種類によって加工の仕方を変化させます。

 

⑤編み

参照元:丸亀市

 

弓竹が通してある穂を、糸で編んでいく作業です。

 

⑥付け

参照元:丸亀市

 

編み作業でゆがみなどが生じていたら微修正しつつ、編んだ弓竹に形を付けていきます。

最後、左右対称になるように糸を綴じたら、この工程は完了です。

 

⑦貼り立て

参照元:丸亀市

 

うちわの骨となる穂にノリ付けをしたら、地紙を貼る作業です。

 

⑧型切り

参照元:丸亀市

 

製作しているうちわの種類(玉子型、満月など)にあわせて、穂を仕上げる工程です。

たたき鎌を当てながら木づちで叩いていくので、別名「たたき」とも呼ばれています。

 

⑨へり取り

参照元:丸亀市

 

うちわの周囲に細長い和紙(へり紙)をぐるっと貼って、実際に扇ぐ時に危なくないように仕上げていきます。

その後、かまの両端に「みみ」を貼り、ローラーを使って圧力で絞り、筋が入ったら完成です。

 

 

 

 

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