【伝統的工芸品のご紹介】~宮城伝統こけし(宮城県)~

【伝統的工芸品のご紹介】~宮城伝統こけし(宮城県)~

【名称】

宮城伝統こけし

 

 

【宮城伝統こけしの産地】

宮城県仙台市、白石市、蔵王町、大崎市など

 

 

【宮城伝統こけしとは?】

宮城県仙台市や白石市周辺の地域で製作されているこけし。

東北地方で誕生したこけしは、全部で11の系統に分けられます。

この中で下記5系統が、伝統的工芸品に指定されました。(1981年6月)

 

・鳴子系

中央に行くほど細くなっている胴

 

・遠刈田系

大きな頭&まっすぐで細い胴

 

・弥治郎系

ベレー帽に似た模様、カラフル

 

・作並系

頭部に輪型の飾り

 

・肘折系

三日月形の目、しっかりした唇など、他系にはない豊かな表情

 

全て同じ「こけし」ではありますが、産地によって形や模様がどれも異なっています。

これは、製作するための伝統的技術・模様などが「師匠からその一族」「師匠から弟子」など、

限られた関係性の中だけで伝承されてきたからです。

加えて、各系統の伝統を存続させていくため、さまざまな制約も設けています。

 

 

【宮城伝統こけしの特徴】

「頭」と「胴体」の2つだけから構成されている、シンプルでかわいらしい姿が特徴です。

また、「原料となる木の伐採~完成」までの全工程を、一気通貫で一人の職人が行うことでも知られています。

こうした背景から、伝統を重んじながらも、職人一人ひとりの個性を表現していくことが可能です。

 

 

【宮城伝統こけしの歴史】

長い歴史の中で、最古のこけしと考えられているのが「百万塔」です。

百万塔とは、764年に起きた「藤原仲麻呂の乱」後の動乱を鎮めるため、

称徳天皇の発願によって造られた百万基の小塔です。

各小塔の中に、陀羅尼経(だらにきょう=仏さまにお唱える祈りの言葉)を納めました。

 

その後、惟喬親王(844~897年)が近江国で、ろくろ挽きの技術を伝え始めます。

彼の技術を受け継いだ弟子職人たちが日本全国に移住したことが、こけしが世間に広まる

きっかけとなりました。

 

東北地方に木地師たちが住むようになったのが、安土桃山時代。

そこで製作されるようになったこけしが、現在の宮城伝統こけしの始まりであると言われています。

 

先に紹介した5つの系統の中で、一番古いと推察されているのが遠刈田系のこけしです。

当時、東北地方に住む木地師たちは、温泉などを訪れてきた人々に販売するための土産品として、

生活用品(食器やお盆など)の木製品を作っていました。

また、子供や孫などの家族に対しておもちゃを作って、プレゼントしていたそうです。

 

おもちゃの一つだったこけしも販売品として作られるようになり、

明治時代の中頃には鑑賞用として大人にも慣れ親しまれる存在になりました。

こうして宮城伝統こけしは広まっていったのです。

 

 

【宮城伝統こけしの製作工程】

*材料となる木 

ミズキ、イタヤカエデ

 

①木取り・荒引き

木を伐採したら、ただちに樹皮を剥いでしまいます。

その後、6ヶ月~1年ほど自然乾燥させたら、こけしの材料として使えるようになります。

乾燥後の手順は、以下の通りです。

・玉切り → こけしの寸法に合わせて原木を切る

・木取り → 余計な部分を切り落とす

・荒引き → 頭と胴の部分をおおよその形にするため、ろくろを回す

 

先述の通り、5系統のこけしにはそれぞれ制約があり、製作工程も少しずつ異なっています。

最後の手順である荒引きは、系統によって使用するろくろが異なります。

・縦ろくろ → 遠刈田系、弥治郎系、作並系

・横ろくろ → 鳴子系

 

②頭と胴の仕上げ

荒引きまで完了した木をカンナで削って、頭と胴をそれぞれ仕上げていきます。

削る前に木に下書きをしたり、線を引いたりは一切しません。

職人たち自身の指先で触れた感触や目視によって、頭や胴の曲線美や太さなどをチェックしつつ、ろくろを回します。

この作業には、まさに職人たちの熟練した技術が必要です。

形が仕上がったら、トクサやサンドペーパーなどを用いて磨き、胴の上下部にそれぞれろくろ模様を付けていきます。

 

頭の形は瓜実型などさまざまありますが、各系統で決まっている型は以下の通りです。

・遠刈田系 → 下張型

・弥治郎系→ 下張型

・作並系 →福助型、丸形

 

また、各系統の胴の形は下記になります。

・鳴子系 → 内半胴(胴の中心部分が細め)

・遠刈田系 → 直胴(なで肩であるのが特徴的)

・肘折系 → 直胴の他、裾広がり直胴などの独特な型もOK

 

③頭を胴にはめ込む

はめ込み方も、各系統によって異なっています。

 

・鳴子系

ろくろを使って胴を回しつつ、摩擦の力を利用して頭をはめ込みます。

摩擦の力で瞬時にはめ込むので、煙が上がるほど。

はめ込む際に「キイキイ」と鳴る現象は「ガタコ」と呼ばれており、鳴子系に独特の技術・方法です。

 

・鳴子系以外

「差し込み」「はめ込み」によって、頭と胴を合体させます。

 

④描彩

こけしに絵付けを行っていく作業です。

実際に使われる色は限られており、以下になります。

・顔、髪 → 黒

・ろくろ模様、着物柄 → 主に赤、青、緑

 

なお、頭も胴も、どのような模様にするかは各系統で詳細に決められています。

例えば、着物模様は下記の通りです。

・鳴子系 → 「菊」「牡丹」「あやめ」「なでしこ」などの花、もしくはろくろ模様

・遠刈田系 → 「菊」「梅」「牡丹」「桜」などの花、「衿(えり)」「木目」「ろくろ模様」など

・弥治郎系 → ろくろ模様、「菊」「蝶」「結びひも」など

 

同じ系統だとしても、職人によって描彩に個性や独自性が出るので、その違いを楽しむことができます。

 

⑤ろう塗り

絵付けが完了したこけしにろうを塗り、「ろうみがき仕上げ」を行うことが決められています。

ろう塗りをすることで木目がよりキレイに見えるので、こけし製作には欠かせません。

なお、使用するろうは、「木蝋(もくろう)」「白蝋(はくろう)」などです。

 

 

 

 

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